薬膳料理とは|普通の料理との効果や違い
薬膳料理の凄いところは、
「人間の身体に眠る治癒能力を引き出そうとする治療方法」
ということです。
医療が画期的に進んだのはいいのですが、現代の私達人間は
自分の体の本来持っている「自然治癒」という能力を
ますます衰えさせています。
体温調節の力もそうです。
寒いと人間の体自体が調整する働きを本来は持っているはずです。
それが寒いと言っては暖房を付け、暑いと言っては冷房をつけて
いたのでは、自分の体の体温調節力を発揮するヒマがありません。
薬膳料理の自分の治癒力を引き出すという考え方に共感しています。
薬膳とは、単に生薬などがスパイスのように含まれている料理の
ことではありません。
食材を始めとして効能にいたるまで、しっかりとした中国の伝統医学
の理論の裏付けがないものは薬膳とは呼びません。病気の治療のみを
目的とした薬膳は『食療』とも呼ばれ方もします。『食療』はまさしく
食べて病気を治すのです。
薬膳とは中医学理論を元に食材や中薬と組合せた料理であり、
「栄養」「効果」「色」「香り」「味」「形」などの条件を全て備えた
食養生の方法です。
大事なのは、中医学理論の考えに沿っているかどうかが、薬膳か否かの
大きな違いです。なので、たとえ生薬を使った料理であっても、それが
中医学理論に基づいていなものは薬膳とはいえません。
枸杞やナツメを使っているから薬膳料理だ、とはいえないということです。
薬膳とは、病気を防いだり治療を目的にした、おいしい食事のことです。
薬膳料理には、海松子、金針菜、枸杞、紅花など、いわゆる生薬
と言われる材料を使ったものだけではなく、日常の私たちが食べている
穀物とか野菜や肉、魚や乳製品などを材料にしたものも含まれます。